7人が本棚に入れています
本棚に追加
はしゃぎ回る二人を尻目にコウとセイラが何やら分からない言葉で会話をしていた。笑っているところから再会を喜んでいるのだろう。そんな二人に話しかけるのは少し気が引けたが、聞きたいことが山ほどあったので話しかけることにした。
「あのー…」
セイラは慌ててコウに寄せていた身を離した。
「…な、なんでしょうか、将様」
二人は少し悪い気がしたが、そのまま話を続けた。
「さっき、俺達を護るために出てきたって言ってたけど、何から護るつもりだったんだ?この世界は平和そのもの。護られるような危険なんて…」
「…お言葉を返すようですが、あるから私達はこうして出てきたのです…」
意外な答えだった。確かに将の言う通り、今の世界は危険と言えるようなものは犯罪くらいだった。それに、将達の暮らしている街は大きな街ではあったが、それほど大きな犯罪が起きたことなどない街だった。
「なっ…一体何の危険だよ」
「…この世界の、滅亡の危機です」
冷静に対応するセイラに対し、将はその言葉を聞いて声も出せないほど驚いていた。
「兄貴、どうしたの?顔色が悪いよ?何をそんなに…」
最初のコメントを投稿しよう!