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「…申し訳ないのですけど、一つお頼みしたいことがあります」
そして、長い長い沈黙を破ったのもセイラだった。将は何も言わずに顔を上げ、それを見たみなみも顔を上げた。
「…私達はこうして主に巡り会えたから良いのですが、この世界には主を得ずに解放される者も出てくるはずです。そういった私達の仲間を助けてほしいと、みなみ様にも伝えてもらえないでしょうか」
将は小さく頷き、みなみにさっきセイラから聞いたことを伝えた。
「…それって、私と兄貴の二人で旅をしろってこと?」
すると、今まで口を閉じていたみなみがようやく口を開いた。
「…俺達も同行する。みなみ達には分からない言葉を使う者もいるからな…」
「ふーん、コウとセイラも一緒なんだ~?だったら良いかも…」
「ば、バカ!またお前は安易な気持ちでそんなことを…大体、俺達が旅をしたところで足手まといになるのは目に見えてるだろう?」
「兄貴、セイラの話聞いてたの?」
後ろから叫んだ将にみなみは後ろを振り返らずに不敵な笑みをこぼしていた。
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