第二章・悲しみの末に

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 四人が旅を始めてから数日が経っていた。コウは将に、セイラはみなみに自分の声が聞こえないという不便が生じていたため、セイラは自分の能力である読心術を応用した術を使い、声を聞こえるようにしてくれたので何とか上手くやっていた。そして、幾度となく今までに見たことのないような異形の姿を持つ者に襲われ、その度にコウとセイラは自分達固有の武器で蹴散らしてきた。  コウは『キング・ヴァンパイア』という戦斧。この斧には吸血鬼の王が封じられていて、封じられていてもなお血を欲しているという。それ故なのか、敵を斬り、血を吸うことによってその攻撃力を増していくものだという。  セイラは『蒼炎』という薙刀。この薙刀は刀身が蒼い炎に包まれていて、使い手の意思によって炎の大きさを変えられるのだという。その能力は、一薙ぎで周りの敵を一掃出来るほどの力だった。  コウとセイラはその異形の者達を魔王の手下だと言っていた。解放の時を迎えつつある精霊騎士達を抹殺すべく放たれたと考えるのが妥当だろう。そんな戦いに明け暮れたある日のこと。 「たくっ、何なのよー!あの変な大群はー!!」
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