第二章・悲しみの末に

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 心配を隠し切れないセイラをよそに、コウは将とみなみのところへ急いだ。 「みなみ、敵の数が異様に増えた理由に検討がついたぞ」 「本当!?」 「まだ、確信はないがな…」 「で、どんな理由なの?」 「はい、確信はないので絶対とは申し上げられないのですが…私達の仲間が近くにいるのかもしれません。極々微かな気配なので、それが誰なのかまでは分かりませんが……」 「極々微かな気配?気配を消してるってことか?」 「はい。それに、敵はある一点に集中しているように感じられます…もしかしたら、仲間はその場から動けなくなっているのかもしれません。そうだとしたら、今すぐにでも助けに行かなくては…」 「だったら、行ってみるか?」  コウとセイラは強く頷き、将はみなみにこのことを説明し終えると、四人は後から来た敵に気付かれないように行き先を追った。  そうして見つけ出した場所には、出入り口と思われる付近で敵が足止めを食らっていた。どうやら、結界のようなものがあり中に入れないらしい。 「あの森は…?」
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