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その光が落ち着き、二人が目を開けてみると、目の前に立っている見たことのない男女が目に入った。
「だ、誰!?」
みなみが警戒しながら声をかけると、男性の方が口を開いた。
「…我が名は『コウ』。ルビーに宿りし精霊騎士なり…主をお護りするため、ここに解放の時を迎えた…」
コウと名乗る男性がそう言い終わると、将は不思議そうな表情を浮かべながら首を傾げていた。
「兄貴、どうしたの?」
「…なんて言ったんだ?なんか話してるのは分かるんだけど、声が聞こえないんだよ…」
「…はい?兄貴、耳が遠くなっちゃった?あんなにハッキリ言ってたのに…」
二人は不思議そうな表情を浮かべながら首を傾げている。
「…それは、お前が俺の主ではないからだ…」
「な、なんて言った?」
「兄貴がこの人の主じゃないからだって」
「…セイラの声なら聞こえるだろう…」
「…次は?」
「セイラっていう人の声なら聞こえるだろうってさ」
「…セイラ?」
将が振り向くと、後ろにいた女性は優しく微笑みかけてきた。長く、青みかかった髪を一つに束ね、とても冷静そうに見える女性だった。
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