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机にちょこんと座った人形が一つ。窓から差し込む光でキラキラ輝く真っ直ぐで綺麗なブラウンの髪、けして豪華ではないけどフリルが素敵な真っ白のドレス。
頬はほんのり赤く染まり笑顔が可愛い女の子の人形。人形は自分を作ってくれた人形師に恋をしていました。
毎晩人形は神様にお願いをしました。
「私はあの人を幸せにしてあげたいの。あの人はいつも一人ぼっち。大好きなあの人を私は幸せにしたいの」
そんなある日。欠けた月が光る夜。
人形の前に現れた神様は月の見える丘まで人形をつれていきそっと命を吹き掛けてあげました。
「あの月を見てごらん。月が満ちるまでの時間、貴方に命を与えましょう…貴方の命は月の力を借りたもの、満ちていくと同時に返さなければいけません。そして約束を一つしなさい、自分が人形だと口にしてはいけません。その代わりに彼の愛を手に入れることができたら…本当の人間にしてあげましょう…。」
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