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人形の女の子は神様とお月様にたくさんお礼を言いました。夜が明けて人形師の彼の元へ姿を表した人形の女の子。勿論人間として振る舞いながら。
「そのドレスに髪…昨夜寝ている間にいなくなってしまった私の可愛い人形にそっくりだ」
人形の女の子は彼と話せることが嬉しくてたまりません。そして人形の女の子は言いました。
「貴方の作るお人形が大好きなんです。ここで働かせてください」
彼は心良く承諾してくれました。
人形の女の子は彼の身の回りの世話をしては人形師を喜ばせました、人形の女の子は毎日幸せでした。これが愛なのかもしれない、彼は私を愛してくれてると。
だけどある日、人形師は言いました。
「私には愛する人がいた…だけど遠い生まれ故郷へと置いてきてしまった…きっと彼女は怒ってるだろう、もう二度と会えない」
人形の女の子は寂しい顔をしてそう語る彼を見るのが悲しくてたまりませんでした。
そして以前に彼が「いなくなってしまった私の人形は幸せを呼ぶ人形として愛を込めて丹精に作った」と嬉しそうに語っていたことを思い出しました。
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