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「…もう夜じゃーん…」
福担からやいのやいのと説教されて、学校を出る頃には陽はとっぷりと落ちていた。
でも月が明るいせいか、ビビりな俺でも結構平気だ。
「んー、夜の散歩ってのもおつなもんだなぁ」
なんて余裕発言かましながら、俺は近道である学校近くの神社を横切っていた、その時だった。
…ヒラリ、
「???」
突然、俺の肩に―
「…雪?」
俺が摘もうと手を伸ばすと
少し強い風が吹き
そして
「うわ…キレー…」
でっかいソメイヨシノの
真っ白な花びらが
一瞬で俺の視界を
埋め尽くした。
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