1 捻挫と白衣と前髪と

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私は胸の辺りをドンとたたいて 出てくるものを抑えた 「大丈夫?」 自分のおかしな行動を笑いながら見てそう言う彼 「え?あぁ!大丈夫です…」 私は口を曲げながら答えた 自分では笑ったつもりなんだが上手く笑おうとするほど上手く笑えない 「前髪切っちゃえば?」 そう言って笑いながら私の髪を上げてくる どうしてそんなに上手く笑えるのか? 私は前髪を上げられ明るくなった視界で先生をみた 先ほどは笑って私の顔を見ていた先生の顔が今は切羽詰まったような顔をしている 「…………君………何歳?」 予想外の質問に驚きながらも私は答える 「……15ですけど…」
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