約束

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この女性が急に返事を返してきて驚いたが、俺はすぐに返事を返した 「君は行かないのかい?」 「・・・何処にですか?」 「上にだよ」 少しの沈黙 女性の発言で沈黙は終わった 「どうせ死ぬんです・・・、それなら行っても意味がないじゃないですか」 少しイラッときた こんな簡単に命を捨てるとは、諦めるのが早過ぎるだろ 「君は死にたいのかい?」 「いや・・・死にたくありませんよ」 「じゃぁ何故?」 すぐに女性の言葉に食いつく 「痛いのや苦しいのは嫌です。そんな思いをするなら此処で死ぬのを待ちます」 これ以上この話しをしても無駄だな 話しを変えよう 「・・・俺は生き残る為に信用出来る仲間を探してるんだ」 「それが私だと?」 「そうだ。まだ信用出来るかわからないけどな」 「どうせ死にぬんです・・・だったら―――」 「君は死なない」 「えっ?」 自分の発言に驚いた 知らない女性にこんな事を言うとは でも嘘ではない 今俺はこの死ぬと言ってる女性を守りたいと思った 「俺が絶対に君を死なせない」 「私は・・・私は人を殺したくはありません」 「俺だってそうだ」 「でもルールだと―――」 「みんなが生き残る方法を探せばいいんだ」
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