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俺には少しめんどうな質問だったが、しかたなくその質問に答えた
「幼なじみであり同じ学校の友人ですよ」
「この少年の親の連絡先はわかるかい?」
この質問には答えたくなかった
蓮夜の両親は交通事故で他界している
俺の両親も・・・
蓮夜の家族と俺の家族はすごく仲がよかった
たまたま皆で旅行に行く事になった。
その時に事故が起こった
俺と蓮夜は運よくこの旅行に行かなかったため、この事故にあわなかった
この事故で蓮夜の両親、妹、俺の両親、弟が死んでしまった
「お~い、聞いてるかい?」
「あ、すみません。なんでしたっけ?」
「この少年のご両親の連絡先を知りたいんだが」
「彼の両親はいません」
「そうなのか・・・、君のご両親は?」
「俺の両親も・・・いません」
思い出したくない過去だ
「そうか・・・」
この人の表情は一切変わらなかった
「では、そろそろ話しはやめにしようか?」
そう言うと懐から黒い物を取り出した
それがなんなのかすぐにわかった
銃だ
「えっ?」
トスッ
あの時の音がした
胸に軽い痛みがあった
目線を下に落とす
胸には注射器らしきものが刺さっていた
「なん・・・で・・・」
段々視界が暗くなっていく
意識も
そして完全に意識が無くなった
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