ゲームの始まり

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「そう、大事な事だよ」 「なんだよ、大事な事って」 いつの間にかこの人に対しての警戒を解いていた 「君は、人を殺せと言われたら殺せるかい?」 「え?」 声から優しい感じが消えた 「もし殺すのであれば、君は楽な道を行けるだろう」 何を言ってるんだ? 「殺さないのなら、君は辛い道を歩くだろう」 俺が人を殺す? そんな事出来るわけがない 人を殺す事は、その人の人生を奪う事だ 悲しむ者もいる 俺はその気持ちがわかる 「君ならどっち?」 「俺が人を殺すと?」 「そうは言ってない、ただこれから起こる事が・・・ね」 これから起こる事? 「なんだよ、これから起こる事って!」 自然と声に力がはいる 「君は僕の質問にだけ答えてほしい、殺すのか、殺さないのか」 「俺はどんな事があっても人は殺さない!どんな事があってもだ!」 奴の質問に対して怒鳴って答える 俺の答えを聞いた途端に奴の声が優しい感じに戻った 「あえて辛い道を行くんだね?」 「ああ!」 「ならその気持ちを忘れないで、きっと辛い道になると思うけど」 「お前は何を俺に言いたいんだ?」 「いずれわかるよ」 奴がそう言い終わった途端、視界が暗くなっていく
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