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私はボールを使ってシーアと庭で遊んでいた。
母と父はそんな私を微笑ましく見ていた。
父は部屋に戻った。
研究の続きか論文の続きかよくわからないが、
とにかく部屋に戻った。
私はボールを投げ、
シーアはそれを追い掛けた。
テンテンとボールは転がり道路へ。
ベタな展開。
そこへトラックが来た。
私はシーアを助けるために走った。
母も走った。
私は背中を強く押された。
キキー、ドーンというひどい衝突音がした。
目を開ける。
母は電柱とトラックに挟まれていた。
美しかった母はぐちゃぐちゃだった。
今でも夢で見る。
頭蓋骨はクシャリと割れて、
脳髄と両方の眼球が飛び出ていた。
「うわあ!」と運転手が急いでバックした時、
フロント部分にひっついていた下顎がペチョっと落ちた
舌がダラリと地面を舐めていた。
「由紀!由紀ー!」と叫びながら父は『母だったもの』に駆け寄った。
私と父はパニックになった。
私達は血まみれになりながら母の肉片をかき集め、
なんとか母を修復しようとその肉片を遺体にくっつけようとしていた。
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