「忘れられない」という呪い

6/7
前へ
/83ページ
次へ
浩美は喋りたくてウズウズしている。 「もう~しょうがないな~! 聞くけど急に『お前だー!』とか大声だすの禁止だかんね!」 「へっへ~ありがとうございます理奈様~!」 「それで? どんな噂?」 「それがね…。 最近『変な生き物』が目撃されるようになってるの」 「ツチノコとか?」 「そんなんじゃないわよ。目撃される生き物は人によって違うんだけど…」 「ちょっと待って? いっぱい種類がいるってこと?」 「そういうこと」 「えぇ~ヤダ~!」 「隣のクラスの祐介君が見たって言うの。 あの人野球部でしょ? 部活終わって帰り道に自転車乗ってたんだって。 そしたら電柱の下に何かがうずくまってたの」 「うんうん」 「『酔っ払いのオッサンかな?』って思ったんだけど、 だんだん近づくと凄く臭いんだって。 んで良く見ると『そいつ』だったってワケ」 「…どんななの?『そいつ』?」 「祐介君の話だと、 『何種類かの犬を半分溶かして混ぜ合わせた』みたいなヤツだったらしいわよ」 「うぇ~気持ち悪い…」 「んでね。 その半分溶かした犬はそれぞれ生きてるみたいで、 鳴いたり息してたりしてたみたい」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6530人が本棚に入れています
本棚に追加