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高校二年生夏、あたしは陸上部の副部長を任され、勉強も部活もとにかくクソがつくほど真面目に頑張っていた。何故あそこまで一心不乱に頑張れたのか今思うと不思議で仕方ない。「若さ」としか言いようがない。
しかしやはり思春期であり、「彼氏」というものが無性に欲しい時期でもあった。
あたしが当時恋い焦がれていた男の子(Yくん)は別の高校の陸上部の男の子で、走り幅跳びで優秀な成績を収めている男の子だった。
簡単に言ってしまえば、Yくんの見た目がすごく好みだったのだ。今思うと、ろくに話をしたこともないくせに「カッコイイカッコイイ!」「好き好き!」なんてよく言っていたなと思う。「恋に恋する」とはまさにこのことだ。「若さ」である。
どうにかしてYくんに近づきたかったのだが、さっぱり相手にされなかった。そりゃあそうだ。話をしたこともない相手からアタックをされても困るだろう。そんなことすら当時は気付かなかった。「若さ」である。
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