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それでもどうにかしてYくんに近づきたくて、携帯番号を聞き出そうと何度も接触を試みた。
友達の協力もあって一度は聞き出すことに成功したものの、電話も出てくれたことはなかったし、メールも返ってくることはなかった。気付いたらYくんは電話番号を変えていた。
普通ならいい加減諦めるであろう状況に関わらず、「頑張れば報われる」という信念があったあたしはなんとか新しい番号を聞こうとまた接触を試みた。
案外アッサリ教えてくれた。
しかし…
「この電話番号は現在使われておりません…」
…嘘の番号だった。
彼も相当ウンザリしていたのだろう。
当時のあたしはそんな気遣いすら出来ず、ただただ嘘をつかれたことがショックだった。
「こんなに頑張ってるのにどうしてうまくいかないのか。」どんなに考えてもわからなかった。
当たり前である。恋愛なんて「頑張れば報われる」もんじゃない。
「頑張ってもどうにもならない現実」に初めて直面し、あたしの心は対応の仕方がわからず、バランスを崩していった。
Yくんが嘘の番号を教えたことに気付いた日、あたしは初めて「過食」をした。
それが「自分との葛藤」の始まりだった。
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