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そんな酷い酷い彼だが、彼も人一倍独占欲が強く、自分の事棚に上げて、彼女の浮気は絶対許さない、束縛と嫉妬の激しい男だった。
彼の場合、彼女が浮気をしたとすれば、間違いなくすぐに別れを決断するが。
しかし、彼にも言い分がある。
【本気で好きになる?会いたくてたまらない?常に一緒にいたい?そんな感情にしてくれた女なんていなかった】
しかし、彼は一度だけ過去にすごく好きだった彼女がいる。
結婚を迫られ、まだ身を固める気のなかった彼は、別れを決断した。
だが、今でも後悔はしてる。
その話をする時は彼はテンションが落ち、暗くなる。
しかしその後、いきなり無邪気に笑い、
【ま、そんだけ好きだったけど、当時も浮気はしとったけどね~】
と、笑う。
これは周りから見れば本気で好きだったと言えるのか?
いや、彼にとって、恋愛は甘いだけのものではないと悟っている。
一緒にいたくてたまらない、だからこそ、本気の恋愛ってのは何か違うんだ。
なんか、こう、とんでもない感情、今までに感じた事のない感情にさせてくれるような女が今まで現れていない。
本命も浮気相手も、大して俺の中ではかわらない、その程度。
【きっとすごく好きな女ができても、浮気はしちゃうね。】
笑いながらいつも話をする智哉。
そう、彼は恋愛を知らない。
ピンとした防御線を自分から張る。
モテる男にはこういう人が多いのではないだろうか…?
【いつかは俺をそんな気持ちにさせてくれる女、現れるかな?ま、無理やね。楽しむのが恋愛、つまり、女遊びでしょ~✨】
彼はいつも友人にはこう語っていた。
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