女大好きですがなにか?

8/10
前へ
/398ページ
次へ
【おはようございます】 一人の可愛い女の子がカウンターに入ってきた。 〔あぁ…もうこんな時間か…〕 カクテルを作りながら智哉は彼女をちらっっ見て、また目線をカクテルグラスに移す。 【あの女の子の客、智哉の知り合い?】 彼女がカウンターにある伝票を見ながら智哉に話かける。 【違う】 智哉が無愛想に答える。 彼女の名前は 橋本沙織。 智哉の一つ下の25歳。 いまどき風で、大きな目が印象的な、美人系ではなく、可愛い系の彼女は、智哉の今の本命の彼女。 そう、智哉の悩みの種だった。 智哉との出会いは小学生の時。 その後アメリカから帰った智哉と偶然再会し、付き合いだした。 人一倍嫉妬心が強く、智哉が自分の全てである彼女は、智哉を監視する為に、智哉の店でバイトをしていた。 付き合い出して一年半。 付き合い始めの頃は、嫉妬心が強い事も知らず、 【少しでも智哉の側にいたいな】 と、可愛い事を言う彼女に、週に三日だけ、アルバイトとして雇ったのが失敗だった。 彼女は、接客で、智哉が客の女の子と、楽しそうに話をするだけで、機嫌が悪くなる。 最初の内は可愛いもんだと思っていた智哉も、執拗な程の嫉妬に、疲れはじめていた。 しかし、彼女の嫉妬が日に日に酷くなったのも、智哉が原因でもあった。
/398ページ

最初のコメントを投稿しよう!

663人が本棚に入れています
本棚に追加