きっかけ

10/21
前へ
/503ページ
次へ
母は私の存在そのものが 見えない様に振る舞った 弟ははじめこそ 不思議そうな顔で いたけれど、 それが普通なんだと 認識するようになった。 父の『仕付け』は 日が経つにつれて 酷くなっていった 3、5日にいっぺん程度が 次第に2日にいっぺん ちょっとすると毎日の様に 理由は些細な事だった 私の返事が小さいだとか そんな理由 理由は段々と父の 『機嫌が良くないから』 『虫の居所が悪いから』 にすり変わっていたけど 私も段々その当たり前に 慣れてきて その理由が不当だとか 理不尽だとかは 考えられなかった。 とにかく、 私が悪いんだ… それが 私にとっても 多分父にも 当たり前になっていた。
/503ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加