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頷かなくちゃ
返事をしなくっちゃ
頭では解るのに
体が言う事を
きいてくれなくて
私は頷く事も
声を出す事さえも
出来なかった。
本気で父が私を
敵を見るような目で
見ていたから
涙もいつの間にか
止まっていた。
とにかく怖すぎて、
身動きが取れなかった。
「まだ解んねぇみてぇだなぁ!」
父の声は段々と荒々しく
私を絶対に許さないと
そう宣言した様に思う。
私は何も言えなくて
父を見上げるだけで
父は許さないと
言った後に
掴んでいた私の髪を放し
体が吹き飛ぶくらいに
私を蹴り飛ばして
私は
意識を朦朧とさせながら
「御免なさい」
と呟いた。
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