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幼稚園から帰って、
夕飯の時間まで
私は
一言も喋れなかった。
部屋の端っこの方に
何をするでもなく
一点だけを見つめて
座っていた。
もしかして、夜のご飯も
貰えないのかな…
夕食の食卓には
私の心配した通りの風景
私の席にご飯は
用意されていなかった。
私はみんなが
食べおわるのを待って
みんなと一緒に
席を立ち
悲しくても
文句は言えなくて
「どうして、お姉ちゃんのご飯は無いの?」
弟が単純に疑問を
母にぶつけた
「お姉ちゃんなんて陸には居ないの。それとは喋っちゃ駄目」
母は冷たい目で私を見て
確かにそう言った。
あぁ、私
…もう、いらないんだ…
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