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「この時間には皆面会だろ?来ないの?誰も」
私は昨日の事を思い出して
黙り込んでしまった。
うまく言葉に出来なくて
少し下を向く。
コウヘイはそれに
気付いたのか、
「ま、来ないとこはこねぇよな。うちも来ないし」
自分の方へ
話題を逸らしてくれた。
だから私は
少し間が空いたけれど
そっちに答えた。
「…あ、…そう…なの」
「俺も綾に負けず劣らず入院生活長いからな、親も愛想尽きたって感じ」
「そう…なんだ」
「見放されてんだよ、俺の事見るのが辛い、とか言ってさ。」
私には無責任に
慰めたりは出来なかった。
「同情すんなよ。」
コウヘイは
そう言って笑った。
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