記憶にない同窓会

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自分も産まれるずっと昔、炭鉱で栄えた町。 今は温泉地として、観光客で賑わう町。 そんな町の旅館に、エリは来ていた。 同窓会のハガキが来たのだ。 正直言って、この町の小学校に、エリは通った記憶がない。 父は転勤族で、小学校の六年間で10を超える学校を、転校したせいだ。 だから、卒業していないこの小学校の同窓会に、本当に出て良いものか、エリは最初迷った。 でも今、気の良さそうな仲居さんに案内され、エリは広い宴会場の入り口でどうしてよいものか、佇んでいた。
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