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神坂草太、15歳。今年で16になります。
そう、今は高校一年生やってます。季節は7月に入り、新鮮だった高校生活は日常へ溶け込み、今ではそれなりに楽しくて、それなりに退屈な物へと変わっている。
「あちぃ……」
下敷きを団扇にして生暖かい風を自分に送る。
「言うな草太……心頭滅却すれば火もまた涼しだ……あぁ、暑い……」
俺の前の席に座る茶髪の男子生徒。身長180センチメートルの長身の男。コイツもまた下敷きで扇いでいる。
「お前だって言ってるじゃねーか大和よ……」
佐藤大和(さとうやまと)。それがコイツの名前。
「へばるなよ草太。もう少し待てば……我々は回復する……」
「そーかい。つか何で今日は風が無いんだ? 俺は心地好い風を要求する!」
「風なんかよりも、もっと素晴らしい出来事が待っている……これもラッキーボーイのお前のおかげなのかな?」
はあ? と俺は首を傾げる。
キーンコーンカーンコーン……
そこでチャイムが鳴った。
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