幸運少年

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ガラガラ、と音を立てて戸を開け、教師……我等の担任、阿部風介(あべふうすけ)が入って来る。 「よっしゃ! 遂に来たぜ!」 さっきまでダラダラしてた大和が急に元気になり、姿勢を正す。 一体何が来たんだ? 「はいお前ら静かにしろー」 先生は気だるそうな声を上げる。 「今日はお前らに新しい友達が出来るぞー」 それを聞いた皆は一斉に騒ぎ始める。 「お前が言ってたのはコレか?」 「そう、コレだ!」 即答された。 「男子の皆さんおめでとー。可愛い女の子だー」 ウオォーーー!! 野太い大歓声が上がった。大和もそれに加わっている。俺にはそんな元気は無い。 「てめーらー、そろそろ静かにしないと成績下げるぞー」 阿部先生が言った途端、教室は静かになった。つか職権乱用じゃないのか? 「よし、それじゃ入って来ていーぞー」
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