幸運少年

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ギギギギギギイイィィィ あああああああああぁ!! 全員が耳を塞いで叫ぶ。 先生は力の限り黒板を引っ掻いた。 「おーし、静かになったなー」 「先生、そりゃ無いっすよ……」 誰かが抗議する。 「お前らが静かにしないからだろー? それじゃ、皆自己紹介するぞー」 この人は……つか自分は平気なのか? 「畜生、やってくれたぜ先生」 「やめとけ……あの先生には逆らわん方が得策だ」 「分かってるよ……。あーまだ鳥肌が収まらねえ……」 そして自己紹介が始まった。出席番号順にどんどん進んでいく。美少女を前に緊張する奴、ふざけた感じで笑いを誘う奴、そして滑る奴……。あ、気付いたら次俺じゃん。 俺の前の奴が終わり、席に付く。あ~、何か緊張するな…… 俺は席を立ち、自己紹介を始める。美少女転校生がこっち見てるよ…… 「神坂草太です。趣味は……特に無いと思います。毎日予定無しの暇人です。あ、何故か皆にラッキーボーイとか言われます……どうぞ宜しくお願いします」 ガタッと音を立て、席に座る。俺の次の奴が立ち上がり、自己紹介を始める。
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