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僕は今しがた散った白い花びらに目をやる
今はいない君の命の儚さと重ねながらそれを見る
途方に暮れて行き場所もない僕はただ
入り組んだ迷宮をあてもなく一人で歩き続けている
出口なんて、無いのに
「儚さ」は所詮「人の夢」程度で終わってくれって
つまらない言葉遊びはいつまでもつまらないまま
「つらいのは自分だけじゃない」って心に言い聞かせるんだけど
君の事を思うと他人なんて皆消え去ってしまうんだ
人生は一人ひとり違ったものだって昔誰かが僕に言った
今の僕にはそんな言葉も全て闇が葬り去っていく
さっき散った花びらはまるで白い光を吸い込んでいくようで
それは一切の希望の光も飲み込んでしまう白い死神
逃げることもできない
子供の頃はあれほど簡単に言い放ってたたったひとつの「コトバ」
その現実を知ってしまった僕は悪魔の生まれ変わり
悪魔の眼は光を受け付けないもんらしいと
このシロとクロの世界を眺めながら椅子に座る
そして僕は外から聞こえるノックの音を聞きながら
玄関に置いた花のもとへ一歩ずつ進んでいくのです
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