先生の裏。

5/6
前へ
/1036ページ
次へ
「先生………っ!」 バタァンッ! 帰りのホームルームが終わると同時に、階段をダッシュで駆け降りて。 保健室の扉を勢いよく開けると、肩で呼吸した。 「薫宮サン、今度は熱?それとも鼻血?」 「……っ!」 からかうように、ニヤつく先生。 「さっき花畑先生に追い出されて!あの後先生、花畑先生と何話してたの!?」 あたしが必死に息を切らして、 急いで来たってゆーのにさ。 何な訳…っ!? その秘密ぶった顔は! 先生はあたしの様子を楽しむように、クスリと笑う。 「先生ッ!!」 「薫宮サン。それより足、どうしたんですか?」 「へ?あ、……ああ、さっき…階段で、コケて。」 「ソコ、座って」 「へ?」 「君の特等席」 先生は白い白衣をひるがえして、縁ありのメガネを掛ける。 あたしの右脚を掴んで、先生の膝に乗せて。 あたしの膝小僧に消毒液を塗り始めた。 「…………」 …やっぱりカッコイイ。 先生は。 先生…………? 花畑先生のところへなんて、いかないでね…………。 あたし、単純? 花畑先生なんて。 もうどうでもいい……………。 あたしは先生に、しばらく見とれた。 だけど 「こ…………の体…勢っ」 「しっ……。じっとして。」 「センセ………っ」 きっと先生は。 coolであたしに興味はないから。 絶対そんな気、ないのかもしれない。 だけど、先生があたしの脚を持ち上げるから。 太ももが上がって、スカートの中が見えてそうなんだもん……………。 あたしの心臓、ウルサイ。 先生に聞こえちゃいそう………。 学校の一階の端の教室、保健室。 あたしは先生の本性、何も知ってはいなかったんだ。 「薫宮…」 「先生…………キャッ」 あたしと先生は、 この日から。 完全に先生と生徒の関係は崩れ落ちてしまった。 あたしはただ先生が好きで。 これから来る大変な毎日に、 気付きもしなかったんだよ…………。 ゛センセ…?″ あたし達は、イケナイ先生と生徒かもしれない…………。
/1036ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5352人が本棚に入れています
本棚に追加