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「先生………っ!」
バタァンッ!
帰りのホームルームが終わると同時に、階段をダッシュで駆け降りて。
保健室の扉を勢いよく開けると、肩で呼吸した。
「薫宮サン、今度は熱?それとも鼻血?」
「……っ!」
からかうように、ニヤつく先生。
「さっき花畑先生に追い出されて!あの後先生、花畑先生と何話してたの!?」
あたしが必死に息を切らして、
急いで来たってゆーのにさ。
何な訳…っ!?
その秘密ぶった顔は!
先生はあたしの様子を楽しむように、クスリと笑う。
「先生ッ!!」
「薫宮サン。それより足、どうしたんですか?」
「へ?あ、……ああ、さっき…階段で、コケて。」
「ソコ、座って」
「へ?」
「君の特等席」
先生は白い白衣をひるがえして、縁ありのメガネを掛ける。
あたしの右脚を掴んで、先生の膝に乗せて。
あたしの膝小僧に消毒液を塗り始めた。
「…………」
…やっぱりカッコイイ。
先生は。
先生…………?
花畑先生のところへなんて、いかないでね…………。
あたし、単純?
花畑先生なんて。
もうどうでもいい……………。
あたしは先生に、しばらく見とれた。
だけど
「こ…………の体…勢っ」
「しっ……。じっとして。」
「センセ………っ」
きっと先生は。
coolであたしに興味はないから。
絶対そんな気、ないのかもしれない。
だけど、先生があたしの脚を持ち上げるから。
太ももが上がって、スカートの中が見えてそうなんだもん……………。
あたしの心臓、ウルサイ。
先生に聞こえちゃいそう………。
学校の一階の端の教室、保健室。
あたしは先生の本性、何も知ってはいなかったんだ。
「薫宮…」
「先生…………キャッ」
あたしと先生は、
この日から。
完全に先生と生徒の関係は崩れ落ちてしまった。
あたしはただ先生が好きで。
これから来る大変な毎日に、
気付きもしなかったんだよ…………。
゛センセ…?″
あたし達は、イケナイ先生と生徒かもしれない…………。
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