先生の裏。

6/6
前へ
/1036ページ
次へ
「先…………生?」 「ナニ?薫宮サン。」 貴方は誰ですか? 先生は、あたしの手首を掴んだまま放さない。 「先………生、」 「俺にキスして欲しい?」 「は…………」 「もし、」 先生は似合わなく真剣で、 あたしは恐かった。 「もし…このまま俺が君にキスしたら。きっと、゛先生と生徒″の関係は崩れるよ。それでも、俺と付き合う勇気ある?」 あたしは、自然に涙が一筋、二筋流れ落ちた。 何も悲しくなんか、ない。 だけど………… 「…………もし、しなくていいって言ったら?」 先生は、あたしの手首をキツく掴むのを緩める。 「もう………ここへは来ないで。」 「そ…んなっ!」 聞くのは恐い。 だけどね、先生。 「…ねぇ、先生はさ」 このチャンス、逃したくない。 もし、先生が、 あたしのカラダが目当てで。 他に女の人がいたり、 花畑先生と付き合っていたり 「先生は…………私のこと、好きですか?」 私のことを、 これっぽっちも好きではなかったとしても… 「そうじゃないって、言ったら?」 「……………」 涙が止まらなく、流れ落ちる。 先生は、あたしの手首を掴んだまま、 あたしを強く見ていた。 「わたしの答えは決まってます…」 「じゃあ答えてよ。」 「知ってるくせに…」 ねえ…先生………? 「先生、あたしを抱いて下さい…」 先生はー…… 「…なら、君からキスして。」 「え?」 「早く。気、変わるかもよ?(笑)」 「……目、つぶって下さい……////」 「いいよ。」 あたしは震えながら、顔を真っ赤にして、 目を瞑った、綺麗な顔の先生にそっとキスをした。 パシッ 「/////っ」 先生が真っ直ぐにあたしを見て、手首をまた掴んで。 したことないような、濃厚なキス。 先生? 暇つぶしだっていい。 それでも、 これが先生の愛し方なんだと、信じるよ……… 新堂センセ。
/1036ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5352人が本棚に入れています
本棚に追加