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「……ありがとうございます……」
「どういたしまして」
言って、一歩下がる女の子。
今まで顔しか見えてなかった女の子の全体が、やっと見える。
身長は140センチくらいかな?
真っ黒な髪は何だか伸びほうだいでバサバサ。
枝毛とかありそう。
服装は長袖のハイネックにジーパン。
使い古したような白のスニーカーを履いている。
……何というか、うん。
「……暑くない?」
「暑いです」
「……」
ザ・即答。
じゃあどうして半袖にミニスカートとかじゃないのかと聞いてみたくなる。
なるのだけれど、なんだか変なふうに誤解されるのは微妙に嫌だ。
なので……、
「座る?風が涼しいよ?」
と、言ってみた。
……うん。僕は馬鹿かと。
いきなり何を言い出すんだろうね?この口は……。
「はい。失礼します」
しかしそんな僕の苦悩というか後悔というか、とりあえずそんなものをよそに、女の子は座った。
「……」
「……」
……僕の足と足の間に。
「……ツッコミ待ち?」
僕は停止してしまいそうな思考を何とか繋ぎ止め、そう言ってみた。
もしかしたらさっきみたいにツッコミを期待しているのかもしれない。
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