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その爆発音も、時間が経つにつれ大きくなっていく。
「本格的にやばいんじゃないか?早く助けにいこうぜ!」
ルビィの言葉に他のメイド達は我に返り、慌てて応援に向かう。
だがその時、一際大きな爆発音と土煙が上がった。
それを見たメイド達は最悪の結果が頭を過ぎったが、それを振り払うかのように現場に急いだ。
彼女達が到着すると同時に一陣の風が吹き、土煙が晴れる。
「「……………」」
皆が固唾を呑んで見守る中、そこに現れたのは膝をつき、苦しそうに倒れているマリアベルと、それを静かに見下ろすギルだった。
よく見ると、マリアベルの側には二つに折れた黒い剣がある。
「くっ!…さすがは父上に認められ妾の執事に選ばれただけのことはある。妾の完敗じゃ…」
悔しそうにギルを見上げる。
「お嬢様が最後まで解放していたら、もっと苦戦していただろう。やはり貴女は凄い…。それと安心してくれ。今のは全て峰打ちだし、ほとんど当てただけにすぎないから、明日にはよくなっているはずだ」
主の実力を素直に認めたギルは、そうマリアベルに声を掛けた。
その情景を信じられないとばかりに、メイド達は驚きの表情を浮かべている。
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