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ギルは起き上がり、近くの木に寄り掛かる。
「結論から言うと、別に命に別状はない」
その言葉にメイド達は疑いの眼差しを彼に向けた。
「ただ…、しばらく無理矢理抑え込んでいた魔力を最近いきなり使ったから、俺の身体がオーバーヒートを起こしたんだ」
「あの膨大な魔力はギル、貴方ですか?」
「あぁ、そうだ」
あっさりと肯定したギルに、彼女達は呆れてものが言えなかった。
錆びてボロボロな水道管にいきなり大量の水をかなりの勢いで流したら壊れるのは当たり前だ。
代表してリリーナがそれらの事を尋ねると
「自分でもそう思うよ。だが、ついキレてしまってね…」
ギルは自嘲気味に笑った。
「…何故人間である君が、そんなに膨大な魔力を持っているか教えてくれないか?」
やはりメイド達が気になっているのはそこだろう。
そうステラが質問するが
「聞きたい事があるなら、後できちんと聞いてやる。だからそれよりもまず屋敷に戻らないか?お嬢様をこのままにはしておけんし…、なにより俺が辛い」
ギルはそうとう消耗しているのか、全く元気がない。
彼の言葉に納得したのか、リリーナ達は渋々ながら頷いた。
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