the end of the nightmare

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  そして現在、マリアベルを自室に運んだメイド達は食堂に集まり、ギルを見つめている。 「そんなに見つめられると話しにくいんだが…」 そう遠慮がちに言うと、彼女達は慌てて目を逸らした。 (そうあからさまに態度を変えられるのも困るんだが…) ギルは一度大きな溜息をつくと、静かに語り始める。 「まずこれだけは言っておく。俺にも自分の魔力が多い理由はわからない。だから、これから話す事はあくまで俺の憶測でしかない」 そこで一旦言葉を切り、彼女達を見る。 その視線に気付いた彼女達はギルに頷き返す。 それを確認すると、再び話し始めた。 「魔術師の生まれについては話したな? その魔術師の実験体には元から魔力の量が多い人間が選ばれたらしい。 少しでも魔物との拒絶反応を減らすためにな。 そうして出来た成功作同士を使って生殖を繰り返し、さらに人間の身体に馴染ませようとしたらしい。 だが、そうして生殖を繰り返していくうちに、膨大な魔力を受け継ぐようになり、他の人間と生殖しても魔力があまり減らない事がわかったんだ」 ここまで一気に話したギルは、用意されていた紅茶を口にし、少し休む。  
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