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その間、メイド達は頭の中を整理する。
しばらくして、皆が落ち着いたのを確認すると、ギルは再び口を開く。
「今の時代に生きている魔術師のほとんどが今話したようにどこかしらで違う血が混じっている。だが、そんな中にもずっと実験体の子孫同士で子を生している一族がある」
メイド達は皆、ある名前を思い浮かべる。
「まぁ、皆も知っての通り原初の一族だ。
この一族だけは昔から近親相姦に近い形で血を守り続けた。
その為、人間には不釣り合いなほど膨大な魔力を身に宿している。
たから、その血を受け継いでいる俺にもその魔力が宿っているんだと思う」
話し終えたギルは、再度紅茶を口にした。
「なぁ、ギル。その話が本当だとすると、君はもう原初の一族ではないんだな?」
「あぁ、そうだ。能力者の血も受け継いでいる俺は、原初の一族じゃない。限りなくそれに近くはあるがな」
ステラの問いに、ギルは普通に答えた。
他に質問はと、ギルがメイド達を見回すが、皆今ので納得したのか首を横に振った。
「なら、皆疲れてるだろうし、今日はもう寝よう」
こうして朱い月騒動は無事に終りを告げた。
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