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プリムはギルの声に振り返る。
「ん?なんや、ギルにぃとリリーナしゃんやないか…。二人共、おはよう…に゛ゃ!」
二人に気付き、挨拶をしようと頭を下げた瞬間、彼女は前のめりに倒れ、頭を床に打ち付けてしまった。
ギルもリリーナも当然の事にどう反応していいか困ってしまい
「………あの、本当に大丈夫ですか?」
「その……体調が優れないようなら休んでいてもいいですよ?」
とりあえず彼女の事を気遣った。
「………」
だが、いつまで経ってもプリムは起き上がる気配を見せない。
「ちょっ!プリム、どうしたんですか?」
慌てて彼女を抱き起こすが
「…もう無理や。うち、こんなに食べられへん。………Zzz」
よだれを垂らしながら、気持ちよさそうに眠っていた。
本気でプリムに何かあったのかと心配したギルは、恥ずかしさと虚しさで落ち込んでしまった。
「………ギル、見なかった事にしましょうか?」
あまりに彼が気の毒だったリリーナはそう提案してみた。
「………お願いします」
彼は元気なく答えると、大きな溜息をついた。
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