11198人が本棚に入れています
本棚に追加
その後、ギルはリリーナに励まされながら厨房に向かったのだが
「………ここも酷いですね」
「メイド長として恥ずかしいです」
あまりの悲惨な状況に、二人は同時に溜息をついた。
厨房がカオスと化していたのだ。
部屋の中にはレンとミントがいたのだが
「「………」」
二人共、無言のまま薄ら笑いを浮かべ、作業をしていた。
それが普通に料理をしていたのなら、カオスとは言い表さないだろう。
だが、二人の行動はあまりに常識から掛け離れていた。
レンは葱を包丁で刻む続けていて、もはや原形をとどめていなかった。
ミントは鍋を空焚きし、おたまで掻き回している。
そして、二人をよく見ると、目の光を失っている。
「「はぁ…」」
この状況を見たギルとリリーナは、朝にも拘わらず疲れてしまった。
だが、疲労の原因はそれだけではない。
朝から会うメイドは、シルフィードとステラを除いて、皆何かしら問題があったのだ。
「とりあえず、二人を正気に戻し、朝食の準備をしませんと…」
「…後でお説教です」
ギルとリリーナは二人を気絶させた後、急いで朝食の準備に取り掛かった。
最初のコメントを投稿しよう!