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メイド達は互いに顔を見合わせ、何を言うべきかを考えていた。
「何も言わないという事は、貴女達はわざとあんな事をしていたと解釈してよろしいんですね?」
痺れを切らしたリリーナが、彼女達にそう告げた瞬間
「「(ぶんぶん)」」
一斉に首を横に振った。
「では、今朝の貴女達の体たらく。何が原因なんですか?」
彼女の詰問に、しばらくメイド達は沈黙した後
「………寝不足だと思います」
千華が小さな声でそう呟いた。
「寝不足…ですか」
より一層彼女の視線が鋭くなる。
「言い訳をさせてもらうなら、あの後全く眠れなかったんです!身体は疲れているのに、意識が妙にはっきりとしていて…」
リリーナの視線に恐怖した千華は必死に弁解した。
他のメイド達も彼女に続けとばかりに、自分達がいかに眠れなかったのかを説いた。
しばらく何も言わずに話を聞いていたリリーナに、皆が安堵した頃
「言いたいことはそれだけですか?」
彼女はメイド達に死刑を宣告した。
((あっ、終わった…))
彼女達がそう覚悟を決めた時
「リリーナよ、それくらいにしといてやれ」
マリアベルの声が食堂に響き渡った。
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