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放っておくと、ずっと言い争いをしていそうなので、薫は千尋の会話に割って入った。
「落ち着きなって千尋、伊織のこの性格は入学試験の時からわかってたことだろ」
「その時はいきなりクビなんか掴まれなかった!大体なんで私がクビを掴まれなきゃいけないのよ」
まだ怒りの納まらない千尋は、薫にも食って掛かったが、薫は気にせず言葉を返した。
「あぁ、そういえばあの時千尋は先に帰ったんだったね。伊織は大の甘味好きなんだ」
「あの時って?」
「合格発表の時。千尋は用が有るとかで、先に帰ってしまっただろ」
「その時何か有ったの?」
「あの後、伊織と学園内に有る甘味の店に行ったんだ、そしたら伊織凄く喜んで、かなりの量を注文した…確か30品位だったかな」
「伊織アンタ一体どれだけ食べるのよ…」
「甘いものなら、いくらでもいける」
呆れた千尋に伊織は自信満々に答えた。
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