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道行く人参。
あるいは歩き、あるいは自転車にのり、車道にはタイヤのついた人参が走り抜けていく。
どうやら動くものが人参に見えているようだ。
しかし僕はその中に不思議なものを見つけた。
それは首から下は間違いなく人間だった。僕と同じ学校の制服だった。
しかし、誰かはわからない。その顔の部分は、やはり人参だったからだ。
注意深く見てみると、ちょっとだけ人参人間もチラホラと目に入る。
一体なんなのだろうか。
さすがの僕も少し不安になってきた。その時――
「高橋くん」
学校も近く、僕は呼び止められた。同じクラスの結城 祥子。
そう、彼女は僕が今日初めて見た正真正銘の人間だった…
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