第一話:キャティ発情!?魔界の媚薬は恋の味!

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  「美味しい?」 キャティが作ったのは、所々生クリームでトッピングされたチョコレートケーキでした。 それはもう犬のようにガツガツとケーキを貪る禁児が、キャティの質問に笑顔で答えます。 「ああ、旨いぜ! キャティも食えばいいじゃんか」 口の周りをチョコで汚しまくる禁児の言葉に、キャティは首を振ります。 「ウチはええわ。猫にとって、チョコは毒やからなぁ。禁児が美味しいんならなによりや。味見出来んから、毎回心配なんよ~」 安心したように笑うキャティに、禁児が不思議そうな表情を浮かべて問い掛けます。 「そうなのか? じゃあお前も食べれるの作れば良かったじゃねえか」 その言葉に、キャティが照れたように笑いました。 「バレンタインでこれを作った時、禁児美味しい言うてくれたやん? それが嬉しくてなぁ。つい今日も作ってもうたんや」 ニコニコと微笑むキャティに、禁児が大袈裟に涙を浮かべます。 「そうなのか……。俺のためにこんなにも……嬉しいぜキャティ!」 そんなわざとらしい台詞を吐きながら、禁児がテーブルに乗り出してキャティの手を両手でガシッと掴みます。 「ふにゃあっ!? な、なんやいきなり……」 禁児の突然の行動に、キャティが顔を真っ赤にして慌てます。 そんなキャティに、相変わらずわざとらしい涙を浮かべたまま、禁児が言葉を続けました。 「いや、あんまりにも嬉しくてな……。そうだ! お返しにもならないかも知れないが……」 禁児はそう言って、ゆっくり立ち上がると、おもむろに冷蔵庫を開け、中から一個のパンを取り出したのでした。  
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