第一話:キャティ発情!?魔界の媚薬は恋の味!

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  「これ、さっき買って来た『イース党』のフィッシュバーガーなんだけど、良かったら食べてくれよ」 イース党と言うのは、有名なパンのチェーン店です。 最近紅葉町に支店を出したのですが、フィッシュバーガーは人気ですぐに売り切れてしまいます。 ですから、キャティと禁児は、いつかあれを食べたいなあと常々話していました。 そんな憧れのフィッシュバーガーの登場に、キャティは一瞬目を輝かせます。 「えっ? でも……ええのん? 禁児かて食べたい言うてたやんか。せっかく買えたんやったら、禁児が食べれば……」 本当は食べたいのに、人の好いキャティはまず禁児を気遣います。 「いや、いいんだ。俺にとっては、キャティのケーキの方が嬉しいんだぜ。これは俺の感謝の気持ちさ。遠慮無く食えよ」 それに対して、偽りの笑みを浮かべながら偽りの言葉を並べ立てる禁児に、キャティは本当に嬉しそうに涙ぐみます。 「そんなに喜んでくれるなんて……。ほんまに嬉しいわ。……絶対また作ったるさかいな?」 「おう、いつでも楽しみに待ってるんだぜ! と、お前の分のお茶も用意しなきゃな。麦茶でいいか?」 「ああ、ええで。何か禁児、今日は優しいなぁ」 幸せそうに笑いながら、耳をちょこんと立てて座るキャティを見て、禁児がニヤリと笑います。 (ウヒョヒョ……。かーわいいねえキャティちゃん。でも、これからもっと可愛く鳴いて貰う事になるんだぜ) 邪悪な笑みを浮かべながら、麦茶の中に媚薬を投入する禁児。 そして、それを何食わぬ顔でバーガーと共にキャティの前に差し出しました。  
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