第一話:キャティ発情!?魔界の媚薬は恋の味!

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  「ほら、喉乾いただろ? またすぐに注いでやるから、まずお茶を! お茶を飲むといいんだぜ!」 「せやな。ありがと」 やたらとお茶をアピールする禁児にも疑いを持つ事無く、キャティがコップに口をつけます。 (そう! もう少し、もう少し!) 「……でも、禁児」 「ホァァァァ!」 しかし次の瞬間、コップから口を離して言葉を紡ぐキャティに、ワクワクして覗き込んでいた禁児がずっこけます。 「ど、どないしたん?」 「い、いや、何でも無いんだぜ! それより、何か?」 慌てて取り繕う禁児に、キャティが一瞬訝しげな表情を浮かべますが、直ぐさまいつもの顔に戻ります。 「これ、ほんまにウチが食べてええん? ウチ、禁児のその気持ちだけで……」 「いいんだキャティ! いいから遠慮無く、可及的速やかにその茶を飲め! 飲み干せ! 流し込めぇっ!」 とりあえずアンタ、落ち着け。 「い、いや。お茶はええんやけど、このフィッシュ……」 「シャラァップ! 食え! 遠慮はいらない、さあ食え! 俺はお前のケーキ以外で腹を膨らませたく無いんだぜ!」 「そ、そこまでウチのケーキを? 禁児……ありがとな」 禁児の偽りの言葉に、胸を抑えてジーンと感激するキャティ。 「そう! だからまず茶を飲め。その方が美味しくフィッシュバーガーを食えるんだぜ!」 何の根拠も無い禁児の言葉ですが、キャティはそれに対して笑顔で頷きました。 「せやな、ほな頂くで」 キャティが笑いながら、コップに口を付けました。 (よしよし、いよいよだ……) 「あっ、禁児」 「ブフゥゥーッ!」 またしても寸止めのキャティに、禁児が再度悲鳴をあげました。 「ど、どないしたん?」 「ああ、いや、ははは。今度はなんだいキャティちゃァン」 声を裏返して質問を返す禁児に、キャティが笑いながら答えます。 「せっかくやからさ。乾杯って奴せえへん? ケーキあるんやし、ちょうどええやん」 「ああ! 分かった分かった! その代わり、乾杯したらそのまま一気に飲み干すのがマナーだからな!」 「あ、ああ。了解や。ほな、乾杯ー♪」 「乾杯!」 グラスの触れ合う音が響き、二人は各々のコップに口をつけます。 こうして、キャティは今度こそ媚薬入りのお茶を飲み干してしまったのです。  
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