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(おっと! キャティを忘れてたぜ! 危ない危ない)
目先の欲望にとらわれて真の目的を忘れていた禁児が、改めてキャティを見据えます。
見ると、キャティの身体は全体に朱を纏い、涙などとっくに枯れたはずの瞳は、蛍光灯の明かりを揺らめかせながら反射しています。
熱を帯びた息遣いは荒く、何かに耐えるがごとく小刻みに震える身体は、じっとりと汗を滲ませていました。
(ククク……。こりゃ準備OKだな。ここはあえてきつく当たって、キャティからおねだりさせてみるか。うひょほほほっ!)
どこまでもクズな禁児は、プイッと画面に向き直りわざとらしくマウスを動かします。
「もういいって言っただろ? 俺はゲームやってんだから出てけよ」
「禁児ぃ……」
いつもと違う禁児の様子に、キャティの焦りはどんどん大きくなり、また一粒涙が零れました。
しかし、禁児を前にした途端に段々と広がってきた、身体全体を羽根箒でくすぐられているような心地よい刺激が、キャティの心を溶かします。
早鐘を打つ鼓動、吸い付くような汗、熱を持った吐息、キャティの身体にもたらされた異変の全てが、目の前の禁児を求めているようでした。
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