第一話:キャティ発情!?魔界の媚薬は恋の味!

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  禁児の胸をかき鳴らす鼓動、そして頭をもたげたのは罪悪感。 このまま放っておけば、キャティは今夜、守ってきた全てを禁児に捧げるでしょう。 そして、明日にはそれを忘れてしまうのです。 いずれ本当に心を決めた相手のために、大事に守り通してきたものを、知らぬ間に失ってしまうのです。 それを思うと、さしもの禁児も胸が痛むのでした。 (……いいのか? こんな薬で、キャティの身体を傷付けて、本当にそれでいいのか?) 禁児が葛藤します。 熱く火照っているのに、汗で冷たく感じる肌を抱き締めながら、キャティの気持ちを想います。 そして次の瞬間、禁児は決意しました。 (OK! 問題無し! ゴートゥへヴン!) ……やっぱ駄目でしたコイツ。 こいつの頭の中で天使と悪魔が戦う事はたまにありますが、天使が勝った試しはありません。 今回もその例に漏れず、悪魔の圧勝だったようです。 「キャティ……やらないか?」 禁児の鼻息がウホッと音を立てます。 キャティの頬に差した紅が色を増しました、 「……ええよ」 キャティが小さく頷きます。 媚薬が効いていても、やはり怖いのでしょう。 呟いたキャティの身体は小さく震えていました。 「じゃあ、俺のイカフレーバーの松茸、受け取ってくれ」 真剣な顔で、壊れた台詞を吐く禁児。 とりあえず、死にましょう。 「禁児、優しくせんでもええよ……。ウチは痛くても構へんから。その代わり大事なウチの初めて、しっかり感じてな……」 それだけ言って、口をつぐんで目を閉じるキャティ。 そして、禁児が社会のウィンドウにゆっくりと手を掛けます。 ――その時。 バタン! 「ただいま! 禁児さん、一緒にイース党のソーセージパンを……食べ……」 勢い良く扉が開く音、入ってきたキィナの声。 「キ、キィナ……」 「あ、あれ……? こ、これは……」 固まる二人に混乱するキィナ。 そして部屋に流れる沈黙。 「あ……キ、キィナ……。ソ、ソーセージなら俺も今から出すから大丈夫だぞ」 それはもしやフォローのつもりですか? 本当に死んで下さい。
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