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「え……あれ? 禁児さんと、キャティさん……既にそういう……あれ?」
キィナが未だに混乱して立ちすくみます。
「あ、ああ……。そ、そそそういう事なんだ。分かるだろ、キィナ。な? だからとりあえず、出てくれないかな?」
禁児が額に汗を浮かべて言います。
もし、キャティに薬を使ってる事がキィナに感づかれようものなら、大変な事になります。
ともかく、禁児は大慌てでした。
「あ……。そ、そうですね……。そうですか、お幸せに……。ふぇぇ……」
涙を流して、キィナが答えて踵を返します。
(よしよし、危ない危ない。だが、これでもう障害は……)
「そういえば禁児さん……」
「は、はぃぃ!」
ふと、後ろを向いたままのキィナが声をあげます。
「ホシクナールZ……ってなんですか?」
「ムギャバァ!」
いきなり飛び出したNGワードに、禁児が声をあげました。
「ど、どうしたんですかっ!?」
慌てて振り返るキィナを、禁児が手で制します。
「い、いやははは。どど度℃どうしてそれを?」
テンパりまくる禁児。
顔はひきつり、身体中から汗が噴出します。
「いえ、居間で禁児さんがそんな事言って騒いでたって、ノインさんが……」
「ノイイイイイン! 余計な事をぉぉ!」
思わず叫ぶ禁児に、キィナが訝しげな表情を浮かべるのでした。
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