第一話:キャティ発情!?魔界の媚薬は恋の味!

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  次の瞬間――。 「キモメェン~? なに施錠ぶっこいちゃってんのかしらぁ?」 ドンッ! ドンッ! 「ひ、ひぃぃぃぃ……」 慌てて鍵を閉めた扉の向こうから聞こえるロクナの声。 遺書書く暇なんてありません。 「た、助けてキィナぁ! キャティ!」 「……犯した罪の報いは受けないといけませんよね、禁児さん♪ ちなみにキャティさんには洗脳解除の薬を飲ませました。今はぐっすり眠ってますよ」 笑顔で語るキィナに、禁児の顔色がさーっと青ざめました。 「頼むよキィナぁっ! このままじゃ俺、ロクナに殺されちゃうよ!」 「大丈夫ですよ、禁児さん。死んで天界に行ったら、私がずっと面倒見てあげます!」 「怖いって! お前いつからそんなキャラになったんだよ!」 笑顔を浮かべながらも、瞳は冷たいままのキィナ。 どうやらマジギレモード一直線のようです。 「くそっ! 死んでたまるかぁっ!!」 キィナを懐柔する事を諦めた禁児が、窓から外に飛び降ります。 ――が。 「な、なんだ!? 糸が……くそっ!」 窓の外にはびっしりと張り巡らされた糸。 禁児はそれにかかって宙吊りになります。 そして――。 どっごぉぉぉん! ドハデな音を立てて砕け散る扉。 そこから現れたのは勿論、蜘蛛の足を生やしたロクナでした。 「キキキキキ……。かかったかかった。 間抜けな獲物がねぇ……」 既にどでかい竜巻を携えたロクナが、ゆっくりと禁児に歩み寄ります。 「ご、ごめんなさいロクナ様!! クズの分際で調子こいちゃってすみません!」 プライドとかそんなもんは全て捨てて、禁児が懇願します。 「ねえ禁児。アンタがすり替えたこのふざけた薬のせいで、私がどんだけ恥かいたか分かる?」 「痛い痛い痛い!」 禁児にみしみしとアイアンクローをかましながら、ロクナが言います。 「ひっかけた男が、レストランの中で……。今思い出しても腹立つわぁ……」 相手の男が可哀相でなりません。 「さて、禁児。覚悟はできてるわね? ロクナ特製、『108地獄の殺人術』を全て体験させてあげる……行くわよぉ! 第一の地獄、糸裂き地獄!!」 「いやぁぁぁぁぁぁ!」 その日、禁児の部屋から悲鳴が絶える事はありませんでしたとさ。 めでたしめでたし。  
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