第二話:ノインたんのドキドキ性教育

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  「……禁児さん」 テラスを陽光が満たし、風は花々の香りと花粉を運びます。 庭では百舌鳥が可愛らしく囀ずりながら、餌のカエルを木の枝に突き刺している、爽やかな休日。 そんな朝に、禁児とノインは、花で飾られた白テーブルに置かれた紅茶を啜りながら、過ぎ行く暖かな時間を楽しんでいました。 てか、なんですかこの状況は。 「どうした、ノイン? 今日のアッサムティは口に合わなかったのかな?」 風に揺れる髪をかきあげ、ゆっくりとアッサムだかアッザムだかを口に含む禁児。 てか、なんですかこの状況は。 「……赤ちゃんって、どうやって作るんですか?」 ごぶはっ! ぱりんぱりーん! どんがらがっしゃん! 盛大に口から紅茶を吹き、カップを破壊しつつずっこける禁児。 しかしその瞳は、生気……いえ、性気に満ち溢れていました。 「……ノインたん? そのセリフ、もう一度聞かせて貰おうかな?」 「赤ちゃんってどうやって作るんですか?」 「ストラァァァァイク!!」 盛大にガッツポーズを決めながら、雄叫ぶ禁児。 てか、さっきまでの優雅な演出には一体何の意味があったんでしょうか。 「……ぴか?」 それを不思議そうに見つめるノインに、禁児は更にまくし立てます。 「どうしたノインたん! よもや、本当に知らないのか?」 「……はい。まだ私には関係無いからって誰も教えてくれないの……。……キスより凄い事って聞いたけど……」 キスの言葉に自分で反応したのか、普段無表情なノインの頬がほんのり朱に染まります。 「ウヒョホホホ! そうかそうか、ではアレだ。俺が実践を踏まえてレクチャーしてやろう。大丈夫、世の中にはお前の電撃をシャットアウトしつつ、赤ちゃんができるのを防ぐアイテムがあるんだ。さ、行くぞノイン。さあさあ行くぞノイン」 「……にゅ?」 強引な禁児に連れられて、ノインは禁児の自室へと消えていきました。  
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