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「どうしたんですかキャティさ……ふぇぇぇっ!! なにやってるんですか天狗さん!」
「ふん、決まっておろう。天狗体操だ。我の毎日の日課にケチをつけんで貰おうか」
全裸の天狗が腰をクイクイ振りながら答えます。
ちなみに股間には、天狗の面がついてます。
もしやこっちが本体でしょうか。
「毎日そんな事やっとったんかい!」
今明かされる衝撃の新事実に、キャティが慟哭にも似た叫びをあげます。
ちなみに、スピーカーからは、天狗の声で、なにやら聞き取れないお経のような音楽が奏でられていました。
「神器たるもの、自らの力を高める事に余念があってはならぬ。貴様らも我を見習い、修練に励むがよいぞ」
「ふにゃああああっ! こっち向くなあっ! 後ろ向けぇっ!」
「ぬ、後ろと申すか。さては貴様、我が尻に興味があるのだな。よもやここまで乱れきっておったとは……けしからん!」
「興味なんかあるかああああい!!」
バキィッ! と、ド派手な音を立てて キャティの鉄拳が天狗の顔面にめり込みます。
ちなみに股間の顔ではなく上の顔です。念のため。
「貴様、何をする! ええい、やはり貴様は精神が乱れておる! 貴様もその衣類を脱ぎ捨て、生まれたままの姿で毎日天狗体操を行うがよいぞ!」
「黙れ変態!!」
キャティがそれはもうボッコボコに、天狗に暴行を加えます。
やがて、それを見ていたキィナが声を上げました。
「あ、あの、ノインさんはどこへ……?」
その言葉に、キャティも加虐を止め、天狗の顔を見つめます。
ちなみに股間の顔では無く上の顔です。念のため。
「ノインなら、勇者と共に部屋に入っていったぞ」
「ふぇぇっ!? 禁児さんは封印したのに……」
「あんなものは我が解除した。勇者をあんな物に閉じ込めるとはけしからん」
その言葉に、二人の顔がサーッと青ざめました。
「ほ、ほな、ノインと禁児は二人で部屋に入って行ったん?」
「うむ。なにやら勇者は『セーブした所から始めようか』等とノインに言っておったが……」
「ノイィィン!!」
天狗の言葉が終わらぬ内に、二人は廊下に駆け出しました。
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