6878人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あ、キャティさん、キィナさん」
「……あれ? って、ふにゃああああっ!! 何見とんねん!」
テレビに映し出される塗れ場。
スピーカーからは、ギシギシやらアンアンやら、正確に描写すれば大問題になりそうな音や声。
しかも、本来デンジャラスゾーンを隠すためのモザイクがありません。
バナナも河口も丸写しです。
そしてメモを取り、たい焼きを食べながら、夢中でそれを視聴するノイン。
とっても嫌な光景でした。
「禁児さんは!? 禁児さんはどこですか!?」
「……そこ」
ノインが倒れた扉を指差します。
そこには倒れたドアの下敷きになった禁児が居ました。
「……実践の前に教習VTRを見ようって禁児さんが……」
それを聞いて、キャティが禁児を一撃蹴りつけます。
「まあ、何でもええわ。ノインが無事で良かったわ~!」
「……ぴか?」
ギュッとノインを抱きしめるキャティに、ノインが不思議そうに首をかしげます。
「まあ……これを見たなら赤ちゃんの作り方も分かったと思いますし……万事解決ですね!」
キィナもホッと胸を撫で下ろし、笑顔を浮かべました。
「……いえ、実はまた聞きたい事が……」
しかしその瞬間、ふとこぼれたノインの言葉。
ピキッ……! と辺りに緊張感が走ります。
「な、なんや……?」
額に汗して問いを返すキャティ。
そしてゆっくりとノインが言葉を紡ぎました。
「……これ見てたら、あの、何か身体がムズムズして……」
ノインが頬に朱を差し、もじもじと身をくねらせ、潤んだ目を伏せながら呟きます。
キャティ達から流れる汗の量が多くなりました。
「……これどうすれば治るんでしょうか……? 一人で治せる方法教えて下さい……」
「ふにゃああああっ!」
今度こそ大問題確定なノインの問いに、キャティが悲鳴をあげます。
……どうやらまだ、彼女達に安息は訪れないようですね。
めでたしめでたし。
最初のコメントを投稿しよう!