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発端(チィコ前編)
Aちゃんと出会って一ヵ月ようやくクラスも馴染んできたときある事件が起きた。
僕とAちゃんは生きもの係になり、クラスのインコ「チィコとピヨ太」放課後そのカゴの掃除をするのが僕らの仕事だった。
そんなある日、二人でカゴに敷く新聞紙をもらいにいって戻ってくると、ピヨ太が何やら騒いでいる。するとAちゃんはカゴにかけより「ゆいくんたいへん。チィコが、チィコが」とあわてている。
僕は急いで先生を呼びにいった。戻ってくると
「先生、チィコがおなかいたいって、くるしいって、どうしよう、ねえ。」とAちゃんが泣いていた。
巣穴を覗くと中でチィコがぐったりしている、すぐさま先生が動物病院へ。チィコはなんとか助かったが戻ってくるまでAちゃんは毎日心配していた。
数日後チィコが戻ってきて一気に元気になったAちゃん。その日の放課後もカゴの前で楽しそうにチィコと話している。そんなAちゃんを見て何だか僕もうれしくなった、Aちゃんを教室に残して新聞紙を貰いに行き帰ってくると教室からでてきたAちゃんがいた(あれ?帰っちゃうんだ)しかも顔は無表情でさっきとはまるで別人だ。
「どうしたの?」とたずねたがAちゃんは「明日教えてあげる」
といって先に帰ってしまった。しかたなく一人淋しくカゴの掃除をして僕も帰ることにした。
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